第41回西日本紳士服技術者団体連合会のゼミナール(2006年7月17日)

シングル・スーツ 

オカモトデザイン教室主宰 岡本 富一

使用生地 ダイドーリミテッド

製作意図

三ッ釦の段返り全盛の中、新しいトレンドとして二ッ釦が出始めている。もちろん今までの二ッ釦のスタイルでなく、三ッ釦と同じようにハイボタン・ハイゴージのスタイルである。カラーは、紺が主体の中あえてブラウンで作成しました。
上着は、着丈を少し長めにしてハイボタン・ハイゴージで衿幅を8㎝にし前巾を少し狭く設計しています。左肩下がりがキツイので肩線とパットで調整しています。
トラウサーズは、ワンタックで細めにつくり裾口は、21.5㎝でモーニングカットの巾4㎝の折り返し付きです。
ちょいワル・オヤジの雰囲気が少しでも出れば、成功かと思っています。

シングル3ボタン・スーツ

オカモトデザイン教室主宰 岡本 富一 モデル 岡本 啓吾 氏

製作意図

お客様の背にプリーツ&バックベルト付のカジュアルなジャケット(ゴルフ用)を考えてほでとの要望から始まり、その中にいかにテーラーメードの匂いを入れるかに苦心した作品です。
胸ポケットは前身頃中央を切替えてプリーツを入れポケットの形にハンドステッチを入れています。
腰ボケットはアウトポケットでプリーツ入りで上部は取り外し自由な腰ベルトのルーブを兼ね備えたデザインにしています。前面は上衿を立てた時の形を考慮してクラシカルな3つボタシにしました。背はヨ一クで切替えてプリーツを入れさらにウエストで切替えて下部はわさ取りの一枚で仕上げています。モデルさんはこの形が気に入られこれで素材違いの三着目になります。

カジュアル・ジャケット

オカモトデザイン教室研究科在学中 紀州本 佳照  勤務先 テーラー・キスモト

使用生地 ホーランド・シェリー

製作意図

黒地に白のストライプは、見る人に強力なインパクトを与えると思いましたのでこの素材を選びました。
素材の縞がハッキリしているので、デザインは釦位置を少し上げることとラベルを直線にする程度で、末永く着用する事ができるような、オーソドックスなモノとしています。縫製では、縞目のズレが目立ちますので、慎重に一つ一つの行程を進めました。
初めて作った洋服です。今後も先生方や諸先輩の作品に習って、洋服作りのセンスと技術を高めていきたいと思っています。

シングル3ボタン・スーツ

オカモトデザインシステム研究科在学中 宮本 賢一(1978年大阪府)

使用生地 ダイドーボウ・エディ

製作意図

ブラックでシンプルな2つボタンのスーツですが、今では織れないような厚手でざっくりとしたウール生地を選びました。マッドな質感が今では新しく映ります。
そんなヴィンテージファブリックで今日的なシャープなシルエットを目指し設計しました。
初めての製作にあたり、ハンドメイドならではのディティールや付属使いにこだわり、どこか自分らしさを出せればと思い作りました。
洋服とはに「古さ」と「新しさ1に「遊び心」を加えることで「ファッション」になると思います,
そんな洋服を作っていけるように、これからも努力を情しまずがんばります。

シングル・スーツ 

オカモトデザインシステム研究科在学中 中山 堅暁(1977年鹿児島県) 勤務先 大丸心斎橋店

使用生地 スキャバル

製作意図

多くの生地の中から、コレだと生地を手に取る。シャツ地が透けるぐらい、トレンドになりつつある色めであるブルー。あえてフレスコで、波のように流れるようなドレープを目指し、芯作りや衿返りを工夫しました。
最近のキーワードの1つであるドレスダウンを意識し、替ジャケットでも通用する様、蝶貝釦を選択しました。オンタイム、オフタイム共に、今年のテーマである「マリーン」を意識したコーディネイトで、私の世代がとらえる時代の気分を表現します。

シングル・スリーピース

オカモトデザインシステム研究科在学中 河島 延行(1972年大阪府) 勤務先 高島屋大阪店

使用生地 ロロピアーナ

製作意図

エレガントをイメージし・作成しました。胸元を強調ずるピークドラペル、1ツ釦にすることによりシャープさが際立つVゾーン、ウェストを絞ることでよりエレガントに。トラウザーズは上衣に相応する美脚、美尻設計です。柔らかい素材を使用し、服全体が美しいシルエットを表現できるよう試みました。ポイントである剣先を細く長く仕上げることに苦労しました。1ツ釦のときは釦位置、ウエストライン設定がとても大切です。ベストを着用することにより様々なビジネススーツに活用できる1着です。