第42回西日本紳士服技術者団体連合会のゼミナール(2007年7月15日)

シングル・スーツ

オカモトデザインシステム研究科在学中 前谷 明彦(1975年香川県)

製作意図

胸と背に厚みがある。出尻でS字体型。そのうえに前肩で右肩下がり。
体型のボリュームを生かしつつ服全体をフィットさせ、すっきりした印象のスーツを作ることを目標に製作しました。
ズボンは基本の製図のままで0Kでしたが、上衣は型紙補正をなんども繰り返しました。
よく目立つストライプの柄と、補正したパターンとの柄の合わせ方に、どう折り合いをつけるか悩みました。
新しいことに出会うたぴに、いまの自分の力不足を実感します。製図と縫製の関係。理論と実践。
いい服をつくれるよう,日々精進を重ねて参ります。

シングル・スリーピース

オカモトデザインシステム研究科在学中 長岡 道男

製作意図

一般的なオーダーメードのものよりも、カジュアルな雰囲気のものを作ってみたいと考え、デザイン、パターン、縫製などのすべてに、いままで の伝統的な手法や定石にとらわれずに製作しました
ここは、こうでなければ、こうしなければ‥ではなくて、ここはどうすれば自分の雰囲気とイメージに近いものができるのか。 今回の出品作品の製作も、そんな試行錯誤を重ねることになりました。
テーラーとしての知識、テーラーリングの技術の奥深さに触れるたびに、自分の未熟きを知ります。 遠い途を、すこしづつでも進んで行きたいと思います。

シングル・スーツ

オカモトデザインシステム研究科在学中 紀州本 佳照(1978年大阪府) 勤務先 テーラー・キスモト

製作意図

紺のへりンポーンで、一見無地ものに見えますから、着用機会が多いと思われます。
オーソドックスにと考えましたが、ファッション傾向とのパランスも大事で、ハイ・ゴージ、直線的なラペル,高いボタン位置などは、今日風な デザインにまとめました。
ボディへのフィットを重規することと、ハンドメードならではの上品さを表現すること。この2点は、オーダーメードにとって不可欠のものです。
タイトな服づくりは、ボディへのフィットが難しくなり体の欠点などが出やすいものです。補正やアイロン・ワークの重要さを痛感させられました。

トレンチコート

オカモトデザインシステム研究科在学中 河島 延行(1972年大阪府) 勤務先 高島屋大阪店

製作意図

近年、トレンチコートはメンズよりもレディー スの業界で流行アイテムの一つになっていますo
多くの著名プランドにも主要アイテムとして採り 入れられています。
デザインの特徴は、前身にも後ろ身にもつけた 肩から裾までのボックス・プリーツです。
せっかくのプリーツは活かさなければ意味があ りません,そこで前身のプリーツにはポケットを
仕込んで隠しました。背はプリーツを活かして脊 中央の縫い目を省きました。
オーダーメードにしかできないものを作りたい。 手の込んだおもしろいコートを作ってみたい。そ んな思いから出来上がった作品です。

シングル・スーツ 

オカモトデザインシステム研究科在学中 玉垣 哲(1976年大阪府) 

製作意図

グレーのへりンボーンにストライプを配した、 どこか懐かしい感じのある素材です。
ハイ・ゴージのナロー・ラペル。ウエストを絞 り、短いめの背丈にしました。組み会わせるパンツは、ワイドのノータックで、少しフレアーを付 けました。
初めての縫製で、上衿やラペルなどの柄合わせに苦労しました。マツリやシツケの手数のかかる ことも、実際に縫い上げてみて実感できました。
パランスのとれた気持ちのいい服を作る。今回 の作品の製作を通じて、テーラーにはパランス感 覚が大切だということをしっかりと学びました。